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口臭になったらどうする?
口臭は誰にでもあります、口臭がない人はいませんのであまり神経質にならない方が良い場合もあります。ただし、「口臭があると他人から指摘を受けた」「胃腸が弱かったり慢性の病気がある」「歯周病や虫歯の治療をしていない」といった場合にはセルフケアでは改善しない場合もあります。一言で「口臭」といっても程度やタイプが個人により様々なので、まずはご自身の口臭の程度やタイプをある程度確認した方が良いでしょう。
口臭の測定
口臭治療を行なう前にまずは客観的に口臭を測定することが重要です。口臭は市販のブレスチェッカー(口臭測定器)で誰でも簡単に測定することが可能です。ブレスチェッカー(口臭測定器)の種類により異なりますが、においの度合いは「通常」「少し臭う」「臭う」「とても臭う」の4段階程度です。また、口の中の不快な口臭の原因成分を総合的に検査して口臭の程度を客観的に検査するキットもあります。
口臭のタイプ
一概に「口臭」といってもその原因は様々です。主な口臭の原因として考えられているタイプは以下の通りとなりますのでご自身がどのタイプであるかをある程度理解しておきましょう。
- 口の中の病気(虫歯や歯周病など)に由来するタイプ
- 他疾患に由来しているタイプ
- 舌苔(ぜったい)があるタイプ
- 入れ歯やインプラント治療に由来するタイプ
- 自己臭症(じこしゅうしょう)に由来するタイプ
- 生理的に由来しているタイプ
- 食べ物に由来するタイプ
口臭のセルフケア
一時的に起こる生理的な口臭や口の中の不衛生によるものは口内を潤したり歯磨きやデンタルリンス、マウスウォッシュ等で洗浄する事でセルフケアが出来ます。また歯磨きとは別に舌用のブラシで舌苔を除去する事も効果的です。
食後の食べカスを舌に残さないケアはもちろんですが過剰に付着した舌苔は口臭の原因となる菌の温床だからです。しかしある程度の舌苔は必要ですので、それを誤った考えに基づいて取り過ぎると逆に舌を傷めてよりひどい口臭を引き起こす可能性がありますので正しい方法で行なってください。
また、食事を良く噛んで食べたり噛みごたえのある食事に変える、また朝食を抜くなどの食生活をしている場合には規則正しい食生活に改善することも重要です。
医療機関での受診
口臭は舌苔の増加や歯周病、虫歯などの口腔トラブルのサインであることも多いので強い口臭が気になるときは舌苔の異常や歯周病、虫歯などの病気がないか歯科医院でチェックを受けましょう。
口臭と共に鼻や喉、胃腸などの病気の症状があるときは該当の科を受診する事をお勧めします。また、口臭のセルフケアをしていても口臭が気になって社会生活に差し支える程であれば心療内科などに相談してみましょう。
口臭の原因と解決策
先述しました通り、口臭の原因はタイプにより様々ですので治療や対策についてもタイプ別に異なります。
もちろん口腔内を清潔に保つという事は共通するのですが、それぞれのタイプ別に原因と解決策を頭に入れておきましょう。
1.口の中の病気(虫歯や歯周病など)に由来するタイプ
[原因]
虫歯や歯周病などの口の中に病気があることが原因です。口臭の80%以上がこのタイプに属しますが、このタイプの口臭は口から出した息に悪臭があるのが特徴です。
[処置]
虫歯や歯周病を歯科医院で治療しましょう。それにより自然に治る可能性が高いです。また、治療の前後を問わず、毎日寝る前に「丁寧な歯磨き」を心掛ける事で改善されます。
2.他疾患に由来しているタイプ
[原因]
副鼻腔炎(蓄膿症)など耳鼻科疾患に由来するものや、糖尿病(甘酸っぱい臭い)や腎臓病(アンモニア臭)に由来するものがあります。また、呼吸器異常(腐った肉の臭い)や消化器異常(腐った卵の臭い)、肝臓疾患(動物の臭い)に由来するものがあります。
[処置]
上記のような全身疾患が由来の口臭は鼻から出した息に悪臭があるのが特徴です。このような疾患の疑いがある場合には耳鼻咽喉科や内科等を受診して治療して下さい。
3.舌苔(ぜったい)があるタイプ
[原因]
舌苔(舌の上の皮や細菌などによる舌の表面にできたこけ状のもの)に由来するものです。体調が悪かったり全身の病気、特に風邪などで脱水症状になると口の中の自浄作用が低下して舌苔がたくさん溜まり口臭の原因になります。
[処置] 歯磨きの時に舌用ブラシで舌も磨いて舌苔を落としましょう。ただし、ある程度の舌苔は必要ですので適度に行なってください。また歯ブラシ等で舌を磨いた場合には逆に舌を傷めてよりひどい口臭を引き起こす可能性がありますので必ず専用のものをご使用下さい。
4.入れ歯やインプラント治療に由来するタイプ
[原因]
入れ歯やインプラント部分が歯磨きや洗浄できちんと汚れを除去し切れていない事が原因です。特にインプラントの場合には歯磨きのブラッシングが悪いという場合の他に、上部構造(被せ物)の形態によって引き起こしている事があります。その場合には上部構造の作り直しが必要になる事があります。
[処置]
正しく十分なブラッシングで上部構造(被せ物)とインプラントの接合部分に歯垢(プラーク)が残らないようにしましょう。また、上部構造(被せ物)の形態に問題がある場合がありますので、口臭が酷い場合には歯科医師に相談しましょう。
5.自己臭症(じこしゅうしょう)に由来するタイプ
[原因]
他者にとっては口臭とは感じられずに本人だけが感じている口臭です。精神的に不安定な時期、また多くは思春期や更年期の女性に多く見られます。また強いストレスにさらされたり、うつ状態の時に自己臭を訴える場合もあります。
[処置]
精神的な不安定さを改善しストレスの発散を心掛けましょう。場合によっては更年期やうつ状態の緩和のために専門の医療機関を受診してください。
6.生理的に由来しているタイプ
[原因]
生理的口臭に由来するものです。朝起きた時や空腹時、緊張時、女性の生理時や妊娠時の口臭は唾液の分泌が抑えられて少なくなった時に起こるもので誰もが経験します。
一時的なものなので時間が経つと消えますが、朝食を抜いたり不規則な時間に食事を取るとなりやすいといわれます。
[処置]
誰しもが経験する一時的なものであり時間が経つと消えます。原因のほとんどが唾液の分泌が抑えられて少なくなった時に起こりますのでうがいや適度に口内を潤す事が大事だといえます。
7.食べ物に由来するタイプ
[原因]
キムチ、にんにく、たくあん、にら、ねぎ、お酒、コーヒーなどの「におい」の強い食べ物や飲み物をとった後の口臭です。タバコを吸った後の口臭もこのタイプに含まれます。
[処置]
口臭が気になる方はにおいの強い食べ物や飲み物をなるべく摂取しないように心掛けましょう。