歯科用X線

歯科医院では、レントゲンや撮影でのX線検査により、隠れた虫歯や細くて複雑に分岐した根管、歯槽骨の減り具合や骨密度、歯茎の奥に溜まった歯石だけでなく歯や歯の周り、顎の骨格まで総合的に把握することができます。しかしその場合、X線検査による被爆が気になる方も多いのではないでしょうか。医院によっては、問診票にレントゲン撮影を希望するかどうかのチェック欄がある場合もあり、患者さんが希望する場合はレントゲン撮影をおこないますし、希望されない場合は口腔内の視診から判断できる内容で初診相談をおこなうことができる医院もあります。現在、放射線量の数値によって人体への影響があることが、様々なデータとして開示されています。

自然放射線と人工放射線

私たちが被爆する放射線には、自然放射線と人工放射線の2種類に分けられます。

自然放射線

元々自然界の中に存在している放射線のことをいい、宇宙線や大気中、さらには食物中にも含まれる放射線のことをいい、これは日常生活の中にあるため、避けることのできない放射線です。

人工放射線

医療用の放射線(レントゲン撮影や MRIなどの放射線治療)のことをいいます。それ以外にも、原子力発電所の近くに住んでいる場合に受ける被爆や飛行機に乗った場合の宇宙線の増加による被爆などがあります。

放射線量について

日本の自然放射線量は年間1.5mSv(マイクロシーベルト)です。自然放射線量は地域によって違い、世界平均では2.4mSvで最も自然放射線量の多い地域(イラン・ラームサル、インドなど)では年間20mSvを超えます。

医療用のCTスキャンでは部位によって異なりますが5~30mSvで、歯科用CTスキャンは0.1mSv、パノラマ撮影0.03mSvと、他の医療分野の物と比べても低いことが分かります。しかし、絶対に安全な放射線量という基準はありません。どんな少ない放射線量でも発癌性のリスクは上昇してしまうからです。

国際放射線防護委員会では、原子力発電所の職員や放射線技師などで働く方に対する年間線量限度を20mSv、一般の方においては年間1mSv以下に留めるべきであると勧告しています。線量限度とは自然放射線と医療行為などから受ける人工放射線量を除いた被爆線量です。2011年の福島原発事故では、原発作業員の年間線量限度100mSv、子供の年間線量限度が20mSvでした。数値を見ても、どれだけ危険であったのかがお分かりになるかと思います。

防護エプロンは必要なのか

歯科のレントゲン撮影の放射線量はそれほど多くはないため、過度な心配はいりませんが、撮影を必要最小限にして不必要な被爆は防護することが重要です。そのために、歯科では患者様には防護エプロンを着用していただくのが一般的ですが、被爆からの防護の意味がないという意見もあるようです。

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