インプラントのオーバーホール

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インプラントのオーバーホールとは

インプラントは、失った歯の機能や見た目を回復することができる治療法ですが、長く快適に使用するためには、定期的に歯科医院でのメンテナンスが重要となります。その際に、インプラント体と上部構造(アバットメントと人工歯)を取り外し、連結部分をキレイに清掃してから再度取り付ける「オーバーホール」が大切となります。連結部分を取り外すことにより、ご自身での歯磨きなどのセルフケアでは除去できていない歯垢(プラーク)などの汚れをキレイに取り除くことが可能です。

オーバーホールの重要性

インプラントのお手入れやメンテナンスを怠ってしまうと、インプラントと歯茎の間や連結部分に歯垢が付着してしまいます。それによって歯茎が感染し炎症を起こすと「インプラント周囲炎」になってしまう危険性があります。インプラントの歯周病であるインプラント周囲炎は、罹患し進行すると歯槽骨が溶かされてしまい、最悪の場合インプラントが脱落してしまいます。インプラントは人工歯なので、天然の歯よりも歯垢が繁殖しやすく、歯周病に罹患しやすいといわれていることから、適切なセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスをおこなうことが重要です。しかし、数ヶ月に1回おこなうメンテナンスですべての細菌が除去できているとは限らないため、メンテナンスの際にオーバーホールをおこなうことが大切となります。インプラントを埋入している土台部分や骨、歯茎などはインプラントの影響によって少し脆くなっています。オーバーホールは、上部構造を取り除いて土台となるインプラント体の確認もできます。もしも土台部分などで細菌が繁殖していたとしても、定期的にオーバーホールをおこなうことによって、悪化する前に気付くことができるので早期に対処することも可能です。

オーバーホールをおこなう頻度は、歯科医院によっても異なりますが、一般的に1~2年に1度ほどおこなうことが良いとされています。詳しくは大分県のかかりつけの歯科医院に確認するようにしましょう。

オーバーホールの費用

オーバーホールの費用は、基本的に保険適用外(自由診療)となるため、費用は全額自己負担となります。大分県の歯科医院によって異なりますが、インプラントのメンテナンスとしてかかる費用と別途オーバーホールの費用もかかるので、1年に1度オーバーホールをおこなった場合、メンテナンスを合わせると年に2万円前後の費用が必要になります。具体的な費用についてはかかりつけの歯科医院で確認しておきましょう。

インプラント体の1ピースタイプと2ピースタイプ

インプラントのオーバーホールは、インプラント体のタイプによってはおこなうことができない場合があります。インプラント体には、インプラント体とアバットメントが一体化したタイプ「1ピースタイプ」と、インプラント体とアバットメントをネジで連結するタイプの「2ピースタイプ」があります。

1ピースタイプのインプラント体は、主に歯茎を切開する外科手術が1回で済む「1回法」に用いられます。外科手術が1回で済むため、患者さんの身体的負担が少なく、2ピースタイプよりも部品が少ないので費用も抑えることができ、治療期間も短縮することが可能です。ただし、オーバーホールがおこなえないので、アバットメントにトラブルが発生した場合はインプラント体ごと撤去しなければなりません。他にも十分な顎の骨の厚みが必要となります。

2ピースタイプのインプラント体は、1回法と2回法(外科手術を2回おこなう)のどちらでも対応することができます。また、口腔内の状態と治療経過に合わせて、数種類のアバットメントを選択することができ、人工歯の形態も必要に応じて変えることも可能です。さらに、インプラント部分に強い衝撃を受けた場合に、連結部分のアバットメントのネジが折れることで、インプラント体と骨の結合へのダメージを軽減できる可能性があります。2ピースタイプは1ピースよりも費用が高くなってしまいますが、オーバーホールを定期的におこなうことでインプラントのトラブルを軽減することが可能です。

オーバーホールとともにおこなう歯科医院での定期的なメンテナンス

インプラントを長く使用するためには、歯科医院でのメンテナンスも重要です。インプラントを使っていると、徐々に噛み合せが悪くなってくる場合があります。噛み合せが正常ではない場合、様々なトラブルの原因になってしまうため、インプラントを削るなどの修正をおこない噛み合わせを整えることが必要になります。また、見た目にはわからない骨の部分にも異常がないか、X線で撮影して状態を確認することも大切です。インプラントは天然の歯に比べて歯周病のリスクが高いので、定期的に健診を受けるとともに、歯のクリーニングをおこない、ご自身では取り除くことができない歯石や、細菌の集合体である「バイオフィルム」もキレイに除去して、口腔内を清潔に保つようにしましょう。

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