私たちが普段、物を噛んだり運動の際に噛み締めたりするとき、その力の強弱をコントロールする重要な働きをしているのが「歯根膜」という歯の周りにある部分です。
歯根膜とは、天然歯の根っこの周囲を覆っています。別名「歯周靭帯」とも呼ばれており、コラーゲン線維がおよそ半分を占める組織です。
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歯根膜の働き
歯槽骨の吸収を防ぐ
歯根膜は歯を支える歯槽骨と歯の間にあり、歯と歯槽骨を強固に結びつけています。天然歯が残っていれば、その歯の周囲の歯根膜によって歯槽骨の吸収を防いでくれます。歯が数本しか残っていないのに残った歯が歯周病になっていない場合は、歯根膜により歯の周囲の歯槽骨が十分残って盛り上がっています。しかし歯を抜いてしまっている部位は、骨吸収が進行してしまっているケースが高齢者の方に多く見られます。
感触や刺激を感知して脳に伝える
歯根膜には痛覚や触覚という感覚を感知するため、噛んだ時の硬さや微妙な感触、刺激を感知して脳に伝えます。このセンサーのような働きにより、硬いものや柔らかいものを食べる時に噛む力(咬合圧)を調節することができます。
過剰な力がかかるのを防ぐ
歯根膜は噛み合わせの際に、過剰な力が歯にかかるのを防ぐクッションのような役割を果たしており、通常噛むと歯はわずかに沈んだり微小な揺れを生じたりします。これは歯根膜が様々な方向から加わる力を上手く逃しているからなのです。
歯根膜炎
虫歯はないのに、噛むとなぜか歯が痛むということがあります。このような症状は、歯根膜が何らかの影響で炎症を起こしてしまった歯根膜炎による痛みの場合があります。その際、自然に痛みが引いて治ることはありません。 歯根膜炎の原因としては歯髄炎が治らずに歯根の先端から炎症が歯の外に出てしまい、歯周組織や歯根膜が炎症してしまうことや、睡眠中の歯ぎしりや食いしばりなどがあり、歯の見た目の変化は見られませんのでご自身ではなかなか気付くことが出来ません。症状が進行すると、顎の下のリンパ節が腫れたり、頭痛がしたりします。慢性化してしまうと、歯が浮く感じがしたり噛むときに痛むという程度ですが、悪い方向に進行してしまうと骨が破壊されて嚢胞ができたり、膿が歯茎から出てくることもあります。さらに、歯根膜炎が原因で他の病気を起こす危険性もあるため、歯が浮いた感じがしたり、痛みや違和感を感じたときには早めに大分県のかかりつけの歯科医院を受診しましょう。