骨隆起

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骨隆起とは

口の中は虫歯や歯周病だけではなく、他にも様々な病気があるのを聞いたことがあると思いますが、実際に何らかの症状が出てしまった場合、不安に感じてしまう方も多いのではないでしょうか。その症状の一つに歯茎にコブのような膨らみが出来てしまうことがあります。これの膨らみは「骨隆起」という顎の骨にできる骨の膨らみです。骨隆起の部分は触ると固く、歯茎も薄くなっているため、表面に物が当たると強い痛みを感じることもあります。骨隆起は歯ぎしりや食いしばりの癖がある方に多く見られますが、遺伝的な可能性もあるため、はっきりとした原因は不明です。歯ぎしりや食いしばりの癖がある場合、歯が強い力で圧迫されるため、歯の土台となりクッションの役割をしている歯槽骨にも大きな力が加わってしまいます。強い力がかかり続けると、歯槽骨が力に耐えられなくなってしまい、歯を支えられなくなる危険性があります。骨隆起は、これを避けるために骨が横に広がって歯を守っている体の防御反応なのです。骨隆起自体は病気ではないため、すぐに治療しなければいけないということはありませんが、そのまま放置しておくと骨がどんどん大きくなってしまい、入れ歯治療などの際に、入れ歯が強く当たってしまい痛みが出てしまいため、うまく入らなくなることがあります。また、発音がしにくくなることもあります。その場合は、骨隆起を除去する手術をおこなうことも考えられます。

骨隆起の特徴

触ると硬い

腫瘍や嚢胞のように粘膜部分にできたり、中に膿や粘液が溜まっている場合、舌や指で触れると柔らかさがありますが、骨隆起は骨が大きく膨らんでいるため、舌や指で触れると硬い感じがします。

痛みがない

骨隆起は直接的な痛みはありません。骨隆起は歯茎が炎症することでできるものではないため、骨隆起に対する腫れや痛み、発熱などはありません。しかし、骨が出ている部分の歯茎の粘膜が薄いため、歯茎が傷つきやすくなります。

徐々に大きくなる

骨隆起はそのまま放置していると徐々に大きくなってしまいます。口内炎のように自然に小さくなることはあまりありません。そのままの大きさを保っているか、もしくは徐々に大きくなっていきます。また、骨隆起を手術により切開して切除したとしても、歯ぎしりや食いしばりの癖が改善しない限り、その後またできてしまうこともあります。

骨隆起の種類

下顎の内側にできる下顎隆起

下顎隆起は下顎の内側、特に噛んだ時の力の歪みが集中してしまう小臼歯にあたりにできる半球状の骨の膨らみで、多くの場合は左右対称にできます。下顎隆起はすぐに切除する必要はありませんが、噛む力による刺激を受け続けると、徐々に大きくなってしまうため、舌が上に持ち上げられてしまい発音がしにくくなることがあります。また、入れ歯を使っている場合、擦れたり痛みの原因になることもあり、その場合は手術による切除が必要な場合があります。

上顎の中心あたりにできる口蓋隆起

口蓋隆起は上顎の中心より少し後方辺りにできる骨の膨らみです。上顎は左右の骨と骨が繋がってできているため、噛む時の力が繋ぎ目の部分に集中してしまい刺激となってしまうことで骨隆起ができます。総入れ歯を作るときは、口蓋隆起が大きくなっている場合は、入れ歯が安定しないため、切除処置をする方が良いでしょう。

歯茎にできる歯槽隆起

歯槽隆起は歯を支えている歯茎の部分が、コブのように膨らんでいる状態のことをいいます。上下両方にでき、噛む力が歯を支えている歯槽骨に集中してしまうことで、歯に沿ってボコボコと骨が盛り上がるように骨隆起ができます。擦れることで痛みが続いてしまうような症状が続くような場合は切除します。また、歯槽隆起がある方は、歯がいつも揺さぶられてしまうため、歯周病になったり症状が悪化しやすい傾向にあります。

骨隆起の切除術

切除する骨隆起の周りに局所麻酔をして手術をおこないます。その際にピエゾサージェリー(三次元超音波振動を利用することで、切削部分の長さや深さを正確にコントロールが可能です。これによって、神経や血管などの軟組織を傷つけることなく、安全に骨だけを切削する方法)と骨ノミを併用することで、痛みも少なく短時間で処置をすることが可能です。CTスキャンで骨隆起の大きさや位置を確認しながら安全におこないますが、骨を削るため、術後腫れることがあります。

マウスピースを使用することで予防しましょう

骨隆起の原因となる、歯ぎしりや食いしばりの癖による噛む力が、顎の骨にかかる負担を軽減させるために、マウスピース(ナイトガード)を使用する方法もあります。マウスピースは市販のものではなく、大分県のかかりつけの歯科医院で自分専用のものを作製してもらうようにしましょう。マウスピースは就寝時に使い、日中はできるだけ意識して食いしばらないようにしましょう。普段から意識することによって、就寝時の歯ぎしりや食いしばりが軽減することもあります。歯ぎしりや食いしばりの癖は、骨隆起だけでなく、歯の磨り減りや歯周病などにも悪影響を及ぼすため、できるだけ改善や予防を心がけましょう。

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