オールオン4治療が向いている人は?

オールオン4と従来のインプラントの違い

オールオン4( ALL ON 4)とは、従来のインプラント治療方法とは違い、4本のインプラント体をバランスよく骨に埋入(奥のインプラントを骨のある部分へ斜めに埋め込み力を広く均等に配分)する事ですべての人工の歯を支えることができるため、手術の際の身体的な負担や、費用の負担を必要最小限に抑えることができます。また手術をしたその日に仮歯を装着することも可能になり、手術後、その日から食事をすることもできます。

1本の歯に対して1本のインプラントが必要となり、歯茎を切開する箇所も多く手術時間が長いため、身体的な負担や費用の負担の大きい、通常のインプラントとは異なり、今まで諦めていた人でもインプラント治療ができるようになりました。しかし、オールオン4は誰でもが治療可能というわけではありません

オールオン4治療が向いている人は?

総入れ歯を使用している人

オールオン4は、4本の人工歯根で12本までの歯を支えることができます。歯が1本も無い人でも通常のインプラント治療はできますが、総入れ歯を使用しているという方で、入れ歯が合わず苦労している方にはオールオン4の方が向いています。

歯を失った時点で骨吸収が進んでいくので、従来のインプラントのように人口歯根1本に対し、1本の人工歯にすると、骨が十分に足りないことがあるからです。しかしオールオン4だと、4本の人工歯根を埋め込めば良いので、骨の状態が良いところを選んで埋め込むことができるのです。また入れ歯と違いオールオン4は、取り外してお手入れする必要もなく、噛みづらさや発音しづらいということもありません。

総入れ歯が合わない人

オールオン4は、総入れ歯が合わないという人には非常に合った治療法です。総入れ歯は、長く使用していくうちに顎の粘膜や骨吸収により骨が痩せてきて合わなくなっていきます。合わない入れ歯のまま食事などをすると、食事のたびに痛みと苦痛を伴います。また、総入れ歯の噛む力は、天然の歯の1割〜3割しかありませんが、オールオン4にした場合、噛む力が9割ほどになり、天然の歯とあまり変わらなくなるため、楽しく食事をすることができます。また、入れ歯は食事をしたり、何らかの拍子で外れてしまうことがありますが、そのような心配もオールオン4だとなくなります。さらに入れ歯と違い、口中の違和感もほとんどなくなります。

顎の骨が少ない人

通常のインプラント治療は、顎の骨にある程度、厚みがないと治療そのものができないことがあり、その場合は骨造成が必要となります。そかしオールオン4ならば傾斜をつけて埋入することができるので、骨が薄い方でも治療が可能です。

インプラントと骨粗しょう症
インプラントと骨粗しょう症
骨粗しょう症でもインプラント治療は可能? 骨粗しょう症に罹患していると骨密度が低下します。きちんと骨の状態を検査した上で適切な治療を行うことが必要となります。それでもインプラント治療への影響は少ないとされており骨粗しょう症でもインプラント治療は十分可能です。また、骨の量が少ない場合でも骨を移植したり再生させる治療法もあ...
インプラントと骨結合
インプラントと骨結合
骨結合型インプラントについて 骨の中に金属などを埋め込むことを総称してインプラントと呼びます。しかし、私たち人間の体は自分以外の細胞や人工物が体内に入った場合には激しい拒絶反応を起こし異物を排除しようとします。こういった拒絶反応は私たちの体の免疫系統によってもたらされる自己防衛の能力なのです。そのため過去のインプラント...

今後、天然の歯を残すことが難しい人

今残っている天然の歯が歯周病や虫歯になってしまっていて、今後治療したとしても、そのまま生かしておくことが難しい状態になっている方にもおすすめです。

人前に出ることが多い人

通常のインプラントでは、診断、カウンセリングの後に人工歯根を埋め込む手術をして、顎の骨とつながるまでに数カ月と長い期間が必要となります。その期間は歯が無い状態ですので、人前に出ることが多いお仕事の方にはとても不便です。しかしオールオン4であれば、手術したその日に仮歯をつけることができます。すぐに歯ができるので、人に会ってもインプラントの手術をしたことを気づかれずに済みますし、見た目を気にする必要もありません。

費用を抑えたい人

通常のインプラント治療は、1本のインプラントに何十万という費用がかかってしまいます。10本から14本のインプラントを埋め込もうとした場合は、費用はかなりかかってしまいます。しかしオールオン4であれば埋め込むインプラントも4本で済むのでかなり費用を抑えることができます。

インプラントの費用は?
インプラントの費用は?
インプラントをご検討の方で、費用を調べたり、歯科医院に尋ねた時に高額な費用にびっくりしたことはありませんか? 歯科治療において保険が適用されるのは、「歯の健康を保つための必要な最低限の治療」に限定されることから、歯を失った際に歯の機能や見た目を回復するインプラントは基本的に保険適用外治療(自由診療)となります。またイン...

オールオン4に向いていない人は?

オールオン4は、基本、歯が1本も残っていない人に対する治療方法です。健康な歯が残っている人がオールオン4にするには、その歯を抜歯する必要があります。見た目は天然の歯と変わらないように見えますが、天然の歯に勝るものはありません。健康な歯があるのであればなるべく残しておいたほうがいいので、健康な歯が残っている方にはオールオン4は向いていないといえます。

またインプラントの歯は、天然の歯以上に歯や歯茎のお手入れが必要になってきます。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシ、他にも水圧を利用して汚れを落とすジェット水流などを併用してのお手入れが必要です。さらに定期的に歯科医院でのメンテナンスも欠かせません。それを怠っているとインプラント周囲炎などのトラブルを引き起こしてしまうこともあり、最悪の場合インプラントが抜け落ちてしまいます。

ご自身でのしっかりとしたお手入れや、定期的な歯科医院でのメンテナンスが難しいという人には、オールオン4は向いていないといえるのです。

おすすめの記事
インプラントの費用は?
インプラントの費用は?
インプラントをご検討の方で、費用を調べたり、歯科医院に尋ねた時に高額な費用にびっくりしたことはありませんか? 歯科治療において保険が適用されるのは、「歯の健康を保つための必要な最低限の治療」に限定されることから、歯を失った際に歯の機能や見た目を回復するインプラントは基本的に保険適用外治療(自由診療)となります。またイン...
骨再生療法 エムドゲイン
骨再生療法 エムドゲイン
口腔内が不衛生になることで、食べカスや歯垢(プラーク)が溜まってしまいます。特に、細菌の塊である歯垢が繁殖することにより、歯茎が歯垢の中の歯周病菌に感染してしまい、炎症を起こす歯周病に罹患するリスクが高くなります。歯周病に罹患してしまい、進行すると、歯根膜や歯槽骨などの歯周組織が破壊されていき、さらに進行することで最終...
インプラントは保険が適用される?
インプラントは保険が適用される?
インプラントの治療費用が高額な理由 インプラント治療では1本あたりの費用の相場は30~40万円程といわれています。さらに術後に定期的に受けるメンテナンスの費用が掛かるため他の治療に比べて高いと感じる方は多いかもしれません。しかしインプラント治療には高度な技術が必要な上に術前のCT検査や滅菌された環境下での外科手術が必要...
虫歯が死の原因になる?
虫歯が死の原因になる?
虫歯は歯科医院で治療をすることで治ります。初期で軽度な虫歯であれば歯の再石灰化で自然に歯を修復したり、歯科医院での簡単な治療で済みます。しかし進行してしまい、重度の虫歯になってしまうと、歯の大部分を削り金属やセラミックなどで詰め物や被せ物をする処置が必要となり、最悪の場合は歯を抜かなければいけなくなってしまいます。それ...
インプラントの上部構造(被せ物、セラミックなど)
インプラントの上部構造(被せ物、セラミックなど)
インプラントの上部構造の素材の種類 インプラントは顎骨の中に埋め込まれる部分・人口歯根(インプラント体)とインプラント体の上に取り付けられる支台部分のアバットメントと歯の部分に相当する人工歯(上部構造)の3つから構成されています。インプラント体の素材は、チタンまたはチタン合金で、大きさは直径が3~5mm、長さは6~18...
噛み合わせの重要性
噛み合わせの重要性
噛み合わせが悪いと 噛み合わせが悪い方の場合、口内環境では「顎関節症」「虫歯」「歯周病」などが発症しやすくなります。また、全身症状といたしまして、頭痛や肩こりなど全く別の部位の不調を引き起こす場合があります。これは周囲の筋肉のバランスが崩れ、筋肉に余計な負荷がかかります。そのため筋肉が常に緊張した状態が続き、首や肩の凝...
インプラント術前の過ごし方
インプラント術前の過ごし方
インプラント手術前に注意すること インプラントは手術を必要とする治療です。失ってしまった歯を取り戻すことができ、天然の歯と同じくらい見た目も美しく、また自分の歯のように食べ物を噛むことができるインプラント。近年多くの方がインプラント治療をしています。しかし治療期間も長く、費用も自由診療なので高額になってしまいます。苦労...
8020(ハチマルニイマル)運動とは?
8020(ハチマルニイマル)運動とは?
8020運動とは 989年に、当時の厚生省と日本歯科医師会が推奨する「80歳になっても自分の歯を20本以上を保とう」という運動のことをいいます。ご自身の歯が20本以上のあれば、食生活にほぼ影響がなく満足して食べることができるといわれているため、生涯を通してご自身の歯で食べ物を食べる楽しみを味わいながら生活できるようにと...
インプラント治療に年齢制限はあるのか?
インプラント治療に年齢制限はあるのか?
未成年者とインプラント インプラント治療は個人差はありますが、男性だと骨が成長し終わる18歳以下の方、女性だと15歳以下の方は、顎の骨が成長を続けている場合があるため、顎の骨が成長過程にある時期にインプラント治療を開始することで、歯並びなどに不具合が生じてしまう恐れがあるため、基本、未成年者はインプラントには不向きだと...